強皮症オンラインコミュニティの80名以上の患者が回答したアンケート調査より
株式会社ピアハーモニー(以下、ピアハーモニー/本社:東京都練馬区、代表取締役社長:深井祐太)は、同社で運営しているLINEオープンチャット「強皮症患者さんのピア相談室」において、指定難病である全身性強皮症の患者を対象としたアンケート調査を実施。
・治療満足度を左右する要素について、3日間の調査のうちに80名の全身強皮症の患者と3名のご家族から回答を得た
・いくつかの要素の中で「主治医の強皮症に対する専門性」が治療満足度に最も大きく影響を与えていた
・治験参加意欲についても合わせて調査をおこなった
「全身性強皮症」とは?
全身性強皮症(以下、強皮症)は、皮膚および内蔵臓器の線維化(硬くなること)、血管障害、免疫異常を特徴とする全身性疾患であり、3つの病態が複雑に関連し様々な症状を呈する指定難病です。
本邦での患者は2万人以上いると確認されており、男女比は1:12と女性の比率が高く、年齢は30~50歳代の方に多く見られるとされております。
【参考資料】
難病情報センター https://www.nanbyou.or.jp/
LINEオープンチャット「強皮症患者さんのピア相談室」とは?
「強皮症患者さんのピア相談室」(以下、強皮症ピア相談室)はLINE株式会社が提供するLINEオープンチャットの機能を利用し、強皮症の患者・家族がやりとりできるオンラインコミュニティです。
専用のニックネームとプロフィール画像で気軽に患者同士の情報交換が可能であり、日常生活の悩みや、医療者とのコミュニケーションに関する質問や心情の共有など、幅広いトピックについて、日々活発に投稿されております。
調査の背景とアンケート方法
強皮症ピア相談室において、主治医に対して主体的に診断や治療の相談を行う強皮症患者が増えてきており、そういった患者は治療がうまくいっていて、今後の不安も軽減しているように見受けられました。また、患者が専門医に転医することでも同様の傾向が見られており、「強皮症患者の治療満足度を左右する要素はいったい何なのか?」を調べるために、定量的な調査を実施しました。
アンケートは8月1日~3日にかけて、強皮症ピア相談室(当時143名)において実施しました。アンケートシステムはGoogleフォームを活用し、単一選択8問で、回答に伴う謝礼はお支払いしませんでした。
アンケート結果と考察
本アンケートでは、80名の強皮症患者と3名のご家族から回答を得ることができました。
各背景ごとの「現在の強皮症治療の満足度」のグラフは下記の通りとなります。
今回の結果から、主治医が強皮症の専門医か否かが強皮症患者の治療満足度に及ぼす影響が大きいと考えられます。
ただし、今回の調査では専門医/非専門医の判断が「患者の自己申告」となっているため、精度の面での信頼性には限界がある点には注意が必要です。
(一方、強皮症患者は転医を複数回経験するので、専門医/非専門医の違いをご存じの方も多いです)
アンケートの詳細については下記のURLよりご確認いただけます。
https://prtimes.jp/a/?f=d123316-5-381a0937187db6374eae0e6a608d6844.pdf
※治験参加意欲に関する調査結果も掲載しております
強皮症患者さんからのメッセージ(強皮症ピア相談室 共同管理者 桃井里美さん)
今回の調査では「専門医か否か」と「治療満足度」の相関が明らかになりました。それは、これまで対面やオンラインで関わった患者さんの話と一致しています。
皮膚症状が急激に進行していても確定診断のない患者さんが専門医を受診すると、スキンスコア36(皮膚硬化では重症)で即検査入院、翌週から基礎治療スタートになりました。また診断時に「仕事はできなくなる」と言われて退職した患者さんが専門医転医後、「仕事は可能」と言われて再就職したケースもありました。「1年前は週の半分以上寝込んでいた」患者さんも専門医転医後に治療が替わると、1泊以上の旅行までできるようになり、QOLが向上しています。
LINEオープンチャット「強皮症患者さんのピア相談室」では、4ヶ月で20人の患者さんが専門医に転医しています。そのうちの一人は、「転医しているみなさんの経験を聞き、私も決意しました。納得、安心感のある説明。自分の今の状況を正しく理解できることで気持ちの有り様がガラリと変わり、ひとつ、ひとつ“?”が消えていく体験に感激でした」と話します。
今後もオープンチャット内での情報が患者さんの行動変容をもたらし、医師との良好なコミュニケーションや適切な専門医転医に繋がればと思っています。
株式会社ピアハーモニーについて
株式会社ピアハーモニーは、患者の声を医療の中心に置くことをミッションとしています。
その一環として難病疾患コミュニティの開設運営や患者スピーカー養成プログラムの実施に力を注いでおり、難病患者が孤立しない社会を目指しています。
社名:株式会社ピアハーモニー
代表者:代表取締役社長 深井 祐太
設立:2023年6月
本社所在地:東京都練馬区桜台1-38-6
URL:https://peer-harmony.com/